相談事例

昼夜逆転でひきこもりがちな生活から、自立した生活に向けて歩み始めた事例

今回の相談事例

昼夜逆転でひきこもりがちな生活から、自立した生活に向けて歩み始めた事例

経緯

20代女性。宮前区在住。中学校でのいじめで不登校、ひきこもり生活になり、以降は昼夜逆転生活を送っている。母子家庭だったが、3年前に母が亡くなり、妹とともに祖母世帯に転入。祖母の年金のみで生活を行っていた。以前、他の支援機関で定時制高校の受験体制を整えたが受験当日にいじめの記憶が蘇り恐怖感から受験できなかった。サポート高校にも通うが1週間で退学。現在はフルートの音楽教室に通うのが唯一の外出機会で、同居の祖母、妹、様子を見に来る叔父以外との交流がほとんど無い状況で、今後を心配した祖母、叔父とともにだいJOBセンターに来所した。

支援内容

①生活面 生活リズム表を渡し、昼夜逆転生活を見直すため2週間に1回の来所面談を実施。面談を通じて精神疾患が疑われたことから、病院受診同行し、自立支援医療の手続きに同行する。②社会参加 フルート演奏のボランティアができる障害者施設に同行し、継続的なボランティア活動を開始。また、スポーツ施設での就労体験に参加し、座席清掃、来客対応なども学び自信をつけた。③就労支援 就労体験を行ったところ、本人から「働いてみたい」との希望があった。そのため、履歴書添削、企業検索、面接練習や応募に際しての企業への問い合わせの練習を実施。本人の希望する週2回4時間程度で、対人業務が少なく、苦手とする金銭の取扱いがない就労先の検索を行った。

現状

支援開始から1年後、病院の検査で知的障害と統合失調症が判明し、療育手帳B2取得。治療を継続しつつ生活リズムも服薬により整ってきた。就労についても本人の希望に沿う調理補助の仕事が決まり、周りの職員が祖母くらいの年齢のため関わりやすい、みなさん優しくしてくれていると話すなど人間関係も良好で、皿洗いやラーメン作りなど簡単な調理も任されるようになり、週4日5時間の勤務を継続している。現在は将来一人暮らしができるよう祖母から家事を教わっているなど、自立に向けた生活が送れるようになってきている。けながら、大学での就職相談も行っている。自己分析が進み、適性や興味のある職種が明確になり、徐々に業界研究も行なっている。今後も本人の意向を確認しながら卒業と新卒での採用を目指し、支援を継続していく予定。

昼夜逆転でひきこもりがちな生活からの脱却

課題

中学生のときに受けたいじめが原因でひきこもりとなり、その後、外出もほとんどせず、親族以外の他者との交流がほとんどない生活をしていた。昼夜逆転、精神疾患疑い、就労経験がない等、困難な課題が複雑に絡みあっていた。

支援内容

2週間に一度必ず来所してもらい、昼夜逆転生活の見直しと信頼関係をつくり病院受診を促した。外出の機会と他者との交流の機会を増やすため、ボランティア活動への参加を促した。また、少しずつ就労することも意識し、就労体験や面接練習等も行った。

現状

病院での検査により、本人に知的障害と統合失調症があることが判明したため、療育手帳を申請、取得に至った。また、本人の適性に合った就労も決まった。調理の仕事でまわりの理解もあり、無理なく仕事が出来ている。

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